🎧 はじめに:「好き」だけではDJを続けられなかった日々もある
HIPHOPにハマり、DJを始めた17歳。
ターンテーブルを前に、時間を忘れるくらいレコードに触れ、思い通りに音を操る。その感覚に夢中だった。
有名になるためにひたすら練習に明け暮れた日々、でも、好きなだけでは続けられない。。
この記事では、20年続けてきたからこそわかる「続けられなかった理由」と、それでも辞めなかった理由を、自分自身の言葉で振り返ります。
✅「好きだけど、やらなかった」5つの理由
① 人間関係のストレスで距離を置きたくなった
音楽仲間とのつながりが、励みになる時もあれば、重荷になる時もある。
ライバル意識・嫉妬・価値観のズレ。
音楽を続けるはずの場で、人間関係に疲れる瞬間は意外と多い。
▶ 気づき:
「音楽が嫌いになったんじゃない、人に疲れただけ」
距離を取ることで、また音と向き合えるようになった。
コミュ障気質には人の集まる場所にずっといるのは厳しいなと感じた。
② 曲と機材を集めるコストが高すぎた
アナログ、デジタル、DVS、コントローラー、サブスク…
音楽を深く掘ろうとすればするほど、お金がかかる趣味だと痛感した。
家庭を持ち、生活の優先順位が変わる中で、「この出費、本当に今必要?」と思うことも正直増えた。
▶ 経験からの教訓:
- 無理に最新を追いかけるより「今ある曲や機材でどこまで表現できるか」にシフトした
- 高い機材やレア音源より、“自分らしさ”が光るプレイが重要だと気づいた
③ 仕事としてやる勇気も、なり方もわからなかった
「DJで食べていきたい」と思ったこともある。
でも現実は、仕事にする勇気も、自信もなかった。
ましてや、どうやって仕事にするかもよくわからなかった。
▶ 今だからわかること:
- 無理に“職業化”しなくてもいい
- もし職業にしたいなら、まずその世界に飛び込んでみて無理なら就職すればいい
- 副業や趣味として持ち続ける形も立派な「続け方」
④ 社会人になって時間が圧倒的に足りなくなった
結婚、子育て、仕事で、気づけば1日の中に「自由な時間」がほとんどなくなっていた。
DJは、ただ音をかけるだけじゃない。
音源を掘り、準備し、練習し、録音し、アウトプットする…地味な積み重ねの時間が必要な活動。
▶ それでもできる工夫:
- 朝5時起きして15分だけスクラッチする日もある
- 家族が寝た後にコツコツ編集と練習
- 「細く長く」を信じるしかなかった
⑤ 音楽は好きだけど、技術的な探究心が薄れてきた
新譜チェック、大会出場の練習など。
“技術”への熱が以前より落ちてきた自分に、焦りを感じ、「もっと練習しなきゃ」と言い聞かせることもあった。
でも、そこで諦めるのではなく、「探究心」よりも「表現欲」のほうが自分には大事だと気づいた。
✅ それでも自分がDJをやめなかった理由
それは、DJという手段が、自分を“生き返らせてくれる表現方法”だから。
- 自分のかっこいい音楽を、ミックスに込めて世界に発信できる
- 忙しくても「自分に戻れる時間」になる
- 無心になって練習することで心が整う
つまり、私にとってDJとは、単に「他人に見せるもの」だけでなく、「自己表現の場所」だった!
🎯 まとめ:「好き」は原動力だけど、継続には“現実”がいる
- 人間関係に悩んだら、距離を置いてもいい
- お金がなければ工夫すればいい
- 時間がなければ、5分でも向き合えばいい
- “仕事”じゃなくても、“人生の柱”にはできる
- 技術より、自分らしさを表現することを大事にしていい
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